(2026/07 更新)
普段何気なく見ている4K動画ですが、実はとてつもない量のデータが使われています。 今回は、「4K動画1分間」と同じデータ量で電話をかけると、どれくらいの時間、通話できるのか? というテーマを、面白く分かりやすく解説していきます。
この記事を読むと、 「なぜ通信会社が“かけ放題”を推すのか?」や、 「動画通信がどれほど巨大な通信量なのか?」 という、現代通信社会の裏側まで見えてきます。
現在のYouTubeや動画配信サービスでは、4K動画が一般的になりつつあります。 4Kとは、おおよそ830万画素クラスの高精細映像の事です。
例えば、 「4K / 30fps / H.264圧縮」 程度の動画でも、 1分間で100MB~400MB近いデータ量になる場合があります。
今回は分かりやすく、 1分間 = 約200MB として考えてみます。
200MBをビット換算すると、 約16億ビットにもなります。
実は音声通話は、映像と比較すると非常に軽いデータです。
昔ながらの固定電話品質では、 おおよそ64kbps程度が標準的な音声品質でした。
つまり1秒間に必要なデータ量は、 4K動画とは比較にならないほど少ないのです。
では、 「4K動画1分間」と同じ16億ビットで、 どれくらい通話できるのか計算してみましょう。
16億ビットを、 64kbpsで割ると、 約25000秒となります。
これを時間換算すると、 約6.9時間。
つまり、 「4K動画1分間 = 電話約7時間分」 程度の情報量になるのです。
普段は気付きませんが、 動画というのは本当に巨大な情報を送受信しています。
最近のLINE通話やVoIP通話では、 音声圧縮技術が進化しており、 16kbps~30kbps程度で通話できる場合もあります。
もし16kbpsで計算すると、 4K動画1分間と同じデータ量で、 20時間以上通話できる可能性があります。
つまり、 現代の通信社会では、 「映像」が圧倒的に通信量を消費しているのです。
ここで面白いのが、 MNOやMVNO各社が提供している、 「かけ放題プラン」です。
現在、 多くの通信会社が「かけ放題」をアピールしていますが、 その理由の一つは、 音声通話が動画ほど通信量を使わないからです。そしてユーザーに「お得感」を訴求するには最も適しているからでしょう。
もちろん通話設備や交換設備などのコストは存在します。 しかし純粋な通信量だけで見ると、 動画配信サービスの方が遥かに巨大なトラフィックを発生させます。
つまり現在、 通信会社が本当に警戒しているのは、 「長電話」よりも、 「高画質動画通信の爆発」 なのです。
注意:「かけ放題プラン」は、殆どの通信事業者がそれぞれ独自にサービスを行っていますが、実はユーザー側からみて、完全に「かけ放題」ではありません。
契約時に事業者のホームページの、どこか目立たないような所に小さく、規約などで「制限事項」が書かれています。これは、ユーザーの「万が一の暴走」に対する歯止めをかける為の手段として、どの事業者でも行っています。
昔の通信は、 電話や文字が中心でした。
しかし現在は、
など、 映像が中心の社会へ変化しています。
そのため、 光回線や5Gのような高速通信インフラが必要になりました。
もし現在でも昔の電話回線レベルの通信しかなければ、 4K動画1本を見るだけで何時間も待つ世界になっていたかもしれません。
「4K動画1分間」と同じデータ量で通話をすると、 おおよそ7時間前後もの長時間通話が可能になります。
つまり私たちが毎日何気なく見ている動画は、 実は膨大なデータ量を使っているのです。
そしてその裏側では、
など、 膨大な通信インフラが超高速で動いています。
普段当たり前に見ている4K動画の裏には、 実は驚くべき通信技術が隠されているのです。
【筆者プロフィール】
アナログ・デジタル総合種 工事担任者。
昭和40年代の「ラジオ・アマチュア無線少年」としての自作文化を原点に、端末設備の設置や外線工事、地下マンホール内での通線作業、果てはPHSの基地局設置など、日本の通信インフラの現場を最前線で支え続けた専門家。趣味はオーディオとフィッシング。現在は、当時の泥臭い現場の知恵を交えながら、現代の「通信の裏側の驚き」を一般ユーザー向けに分かりやすく解説するシリーズ記事を執筆中。