ネットで動画を見たり、スマホのゲームを大画面で遊びたいときに大活躍する「USBハブ」。
見た目はACコンセントの「たこ足配線」にそっくりですよね。
「ただ、差し込み口を増やしているだけでしょ?」と思ったら大間違い!
実はあの小さな箱の中には、たこ足コンセントとは全く違う「驚きの仕組み」が隠されているんです。
ハブの中には「映像データ専用のチップ」が入っており、スマホの映像(DisplayPort)をモニターが理解できる言語(HDMIなど)に一瞬で変換して送り出している。
だからこそ、ケーブルを挿すだけでスマホの画面がテレビやモニターにパッと映る。
ここで少し、そのUSBハブの知られざる裏方を担っている半導体メーカーの、代表的な主要ブランドと定番のモデルを紹介しておきます。
読者諸兄には、「そんなの興味が無いよ。」と言われるかも知れませんが、あえて「黒子」的なメーカーの製品たちを紹介しておくのも筆者の務めかなと思っています。
USBハブ(ハブコントローラー)の制御チップ市場は、台湾やアメリカの半導体メーカーが大きなシェアを握っています。
普段私たちが使っているAnkerやエレコムなどのUSBハブの中身には、主に以下のようなブランド(メーカー)のチップが採用されています。
代表的な主要ブランドと定番のモデルをご紹介します。
市販のUSBハブで最もよく見かける超定番ブランドです。
元々はPCのCPUやチップセットを作っていた大手VIAグループの企業で、高い互換性とコストパフォーマンスが特徴です。
カニのマークでおなじみの、PCのLANカードや音源チップの世界最大手です。
近年は高機能なUSB Type-Cハブやドッキングステーション向けのチップで非常に強い存在感を示しています。
自作PCのマザーボード(ASUSグループ)のインターフェース用ICとして絶大なシェアを持つ、高速転送技術に強みがあるブランドです。
外付けSSDケースや、SSDスロットを搭載した高級な多機能ハブに高確率で採用されています。
古くからUSBハブやSDカードリーダーのコントローラーチップを専門に開発している老舗メーカーです。
前述の通り、映像・充電・USBデータなど多機能を1本にまとめる「USB-Cマルチハブ」の場合、内部は1つのチップではなく、
というように、得意分野の異なるブランドのICが複数敷き詰められて作られています。
どんなに優秀なハブを買っても、スマホ側が「外に映像を送り出す機能(DisplayPort Alt Mode)」を持っていないと画面は映りません。
スマホの機種によっては、外部モニターを接続して使える機種と使えない機種があります。外部モニターを接続して使える機種と使えない機種がはっきりと分かれます。
事前にネット検索などで、ご自分の持っているスマホが外部モニターに対応しているか、確認することをお勧めします。
スマホのUSB Type-C端子が「DisplayPort Alternate Mode(オルタネートモード)」という映像出力規格に対応しているかどうかが重要なポイントになります。
| メーカー | テレビに映せる(対応している)主な機種 |
|---|---|
| (iPhone) | iPhone 15 / 16 シリーズすべて(最新のモデル) ・iPad Pro / Air(端子がType-Cのモデル) |
| Google Pixel 8 / 8 Pro / 8a ・Google Pixel 9 シリーズすべて ※Pixel 7以前の古いモデルはすべて非対応です。 | |
| SAMSUNG (Galaxy) | Xperia 1 シリーズ(1 IV、1 V、1 VIなど) ・Xperia 5 シリーズ(5 IV、5 Vなど) ※価格の安い「Xperia 10 シリーズ」は非対応です。 |
| SHARP (AQUOS) | AQUOS Rシリーズ(R7、R8、R9など) ※価格の安い「AQUOS wishシリーズ」「AQUOS senseシリーズ」は非対応です。 |
注意事項:Apple (iPhone) は、基本的に「タッチ式外部モニター」には対応していません!操作は全てスマホからのみできます。
● USBハブとドッキングステーションの違いについて、USBハブは、基本的に複数のUSBポートを気軽に増設したり、ひとまとめにしたりするためのアイテムで、電源アダプタからではなく接続先のPCやスマホから電源供給を受けます。
● ドッキングステーションとは、HDMIなどの映像出力端子やLANポートなどの通信回線、USBポート、SDカードスロットといった様々なインターフェースを搭載し、USBハブとは異なり内蔵電源または、ACアダプターによる電力供給(セルフパワー)が行われるため、安定したパフォーマンスを発揮できるのが特徴です。
● 更に細かく分類すると、「USB-Cハブ」と呼ばれる製品は「USBポート」+「映像出力ポート」も備えた製品で、電源は内蔵せず、正式な国際規格では無いけれどネット界隈では、ほぼ、USBハブ/ USB-Cハブ/ ドッキングステーション という3段階に分けた“俗語”で、すでに一般化しておりそのまま意味が通じるようです。
但し、ネット上に存在する全ての製品が呼び方と中身の性能、規格が必ずしも一致している訳ではないので、購入時は自分で確認する事をお勧めします。
スマホにドッキングステーション(USBハブ)を接続する目的と言えば、大きな画面のモニターを使いたいから、とか、パソコンのようにマウスやキーボードを使えるようにしたい。とか、モバイルモニターの大きな画面でゲームをしたい。とか、人によって色々とあると思いますが、ではどんな製品を選べば良いのか、迷ってしまいますよね!
そこで、用途別に最も適した製品を紹介したページを用意しています。興味のある方は以下のリンクからご覧いただけます。
たった1個のハブを足すだけで、ポケットの中にあるスマホが、大画面での動画鑑賞や、書類作成ができる「デスクトップパソコン」に変身する時代になりました。
中身のICチップ(頭脳)が驚異的な進化をしているからこそ、今の私たちはケーブルを1本挿すだけでその恩恵を受けられる、簡単で便利な時代になったのです。
🌈 これから未来に向かって、この「USBハブ」がスマートホンとタッグを組んで、外では「スマホ」でお家では「ホームドック」としてパソコンに取って替わる時代が、もうそこまで来ているように感じるのは筆者だけでしょうか。
【筆者プロフィール】
アナログ・デジタル総合種 工事担任者。
昭和40年代の「ラジオ・アマチュア無線少年」としての自作文化を原点に、端末設備の設置や外線工事、地下マンホール内での通線作業、果てはPHSの基地局設置など、日本の通信インフラの現場を最前線で支え続けた専門家。趣味はオーディオとフィッシング。現在は、当時の泥臭い現場の知恵を交えながら、現代の「通信の裏側の驚き」を一般ユーザー向けに分かりやすく解説するシリーズ記事を執筆中。